眠るまでに見た夢のこと

眠るまでに眼に映った事聞いた事、読んだ本やった事行った所思った所を書きます。時々、眠った後に思ったことも書きたい(願望)

『ドリーム』を見た

久しぶりに、文章のリハビリをかねて書いてみた。


映画『ドリーム』予告A

 

NASAで初めて黒人/女性の技術者や研究者になった三人の女性が主人公の物語。面白かった。

舞台は1961年で、キング牧師ケネディ大統領が現役であり、したがって黒人差別と女性差別がまだ「合法」だった時。こういった時代的な内容はかなりしっかり描かれていて、物語の骨格となっている。出だしからずっと、三人は差別に晒され、能力を発揮できず悩み苦しむ。

今の僕らから見れば明らかに差別だと感じる所も、その時代の人達には自明ではなく、「女なんだから難しい事はするな(あなたを大切にしてるつもり)」「黒人の管理職なんてありえない(だって規則にそう書いているから)」といった、緩く、見えない糸で首を絞めつけられているようなシーンがずっと続く。白人女、男、さらには黒人男もまたマウントを取ってくるのだ。

「私たちは差別してるわけじゃない。思いやりなんだ」「偏見はない。ただルールがそうだから」という体でマウント取ってくるのは今もあるよね。

そんな中でも逞しく能力を発揮していってNASAのキーパーソンへと昇り詰めていく姿は、まず成り上がりのビルディングスロマンとして面白いし、歴史の勉強にもなる気がする。

(ただ働く人にあのレベルのスーパーマン求められるとたぶん死ぬ。無理)

上の物語が小気味よい音楽と日常パートとお仕事パートに分かれて展開され、最後まで飽きずに楽しめた。音楽がとくに良かったっすね。サントラ欲しい。

 

しかしこれ、原題は「hidden figures」(隠された数字/人)なのに、なぜ邦題は「ドリーム」

になったのか謎だ。原題は宇宙飛行士が安全に帰ってくるための計算式とその解(数字)を求める科学者たちの奮闘と、それを見つけたのが黒人女性であった事、つまり彼女自身がそれまでの歴史に隠されていた天才であった事、二つの意味があってセンスの良い題なのに、ドリームでは単にアメリカンドリームっぽい気がする。

でも「隠された数式」って邦題だとサスペンスっぽくなるし、仕方ないのかな。面白かったです。