『魔人の少女を救うもの Goodbye to Fate』を読んだ
久しぶりに更新する~
魔人の少女を救うもの Goodbye to Fate (GA文庫)
- 作者: 西乃リョウ
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2018/01/17
- メディア: Kindle版
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神は、二人のささやか過ぎる願いすら赦さない――
これは、正邪を超えて運命に抗う、少女の物語。
これは、人であることを棄てて英雄に挑んだ、少年の物語。
「弱くてもいい。あなたがいいの」
ウィズにはわからなかった。偶然出会っただけの少女アローンがなぜ自分を慕うのか。彼は凡夫で、秀でた才能もない二流の傭兵。遠い故郷を目指すアローンの護衛役にはふさわしくない、そう思っていたが……。
「……同じだったから。あなたもわたしも同じ……選ばれなかった人間」
少女が告げる言葉の意味、そして待ち受ける残酷な運命を知ったとき――ウィズは決意する。守りたい……守ってみせる。たとえかつての親友、救世の英雄を敵に回しても――
これは『選ばれなかった少年』と『見放された少女』が紡ぐ、誰も知らない“世界の裏”の英雄譚。第9回GA文庫大賞<優秀賞>作品。
との事。
久しぶりに、「あんまり話題になってないけど面白いラノベ」を読みました。
主人公のウィズは同じ村で育った親友アルルクルが神に選ばれた英雄になったため、共に冒険の旅に出ます。
ファンタジーRPGの設定なんですが、ポイントは主人公が選ばれなかった側って事ですね! これがとても良いです。
アルルクルは英雄になった事でズバ抜けて強くなるのですが、ウィズの事を強く慕っていました。だから二人は共に旅を始め、(アルルクルに相応しい)仲間を集めます。が、その中でも飛びぬけて弱い――つまり普通の人間――であったウィズは、集めた仲間にクビを宣告されてしまうんです。ジョブズみたいですね~(違う)
これで彼がパーティーに復讐を加えるとなろう復讐譚になるんですが、ウィズは良い奴でした。口惜しさと悲しさを押し隠しながらパーティーを去り、失意の中傭兵稼業に身を投じます。あんまり強い傭兵じゃないけど。
そんな彼が旅の途中で出会ったのがアローンという少女。暴漢に絡まれていた所を助け……ようとして失敗しますが(結局アローンが自分でなんとかしちゃう)、彼女に懐かれ護衛を頼まれるのです。
だけど彼女もまた神様には選ばれなかった側の人間で……
主人公が徹底して「選ばれなかった」「ダメだった」「上手く行かなかった」側にいるため、共感しやすく面白かった。最後の最後まで、選ばれなかった少女のために命を賭して戦う弱い主人公はとてもかっこよかったです。
後アローン可愛い。とても可愛い。
次も読みます!