『終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?』を読んだ
何やら、面白いんだけどあまり売れないから続刊が出ないんじゃないかとひやひやされている作品と聞いて読みました。
終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?<終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?> (角川スニーカー文庫)
- 作者: 枯野瑛
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
- 発売日: 2014/12/01
- メディア: Kindle版
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“人間”は規格外の“獣”に蹂躙され、滅びた。たったひとり、数百年の眠りから覚めた青年ヴィレムを除いて。“人間”に代わり“獣”を倒しうるのは、“聖剣”と、それを扱う妖精兵のみ。戦いののち、“聖剣”は再利用されるが、力を使い果たした妖精兵たちは死んでゆく。「せめて、消えたくないじゃない。誰かに覚えててほしいじゃない。つながっててほしいじゃない」死にゆく定めの少女妖精たちと青年教官の、儚くも輝ける日々。
守りたい物を何もかも守れずに眠りから目覚めたヴィレムの悲痛さと、戦うためだけに生まれた妖精兵の戦記物。徐々に滅びる世界での切ないお話。
まず獣に勝てる道筋というか、見込が全然見えてないのが悲しいし、死ぬのが当たり前だと思ってる妖精兵さん達に幸せになってもらいたいけど全然ハッピーエンドが見えない書き方が上手いです。
妖精兵さん達と主人公が交流して徐々に心を開いていくのがほっこりします(繰り返すけど幸せな未来が余り見えていない)。また、主人公はかつて滅茶苦茶強かったけど今は見送る事しか出来ない程に弱ってしまっているので俺TUEEEも見込めません。
このギリギリ感と切なさが良いお話でした。設定や単語もわくわくする使い方してる(これ前の作品でも同じ事書いたな)。
幸せになってもらいたい主人公と妖精兵さん達ばかりでした。ぜひ幸せになってください。む、無理かな……