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眠るまでに見た夢のこと

眠るまでに眼に映った事聞いた事、読んだ本やった事行った所思った所を書きます。時々、眠った後に思ったことも書きたい(願望)

『血翼王亡命譚――祈刀のアルナ――』を読んだ

久々に更新。これでも徐々にペースが上がっているのです。後、下読でお預かりしたのもちょっとずつ読んでる。

 

 “私は駄目な王女だからね。自分のために命を使いたいの”耀天祭の終わり、赤燕の国の第一王女が失踪した―。だが、それは嘘だと俺は知っている。太陽を祀る五日間、彼女は王族の在り方に抗い、その想いを尽くしただけ…。突如国を追われた王女アルナリス、刀を振るうしか能のない幼馴染みの護衛ユウファ、猫の血を秘めた放浪娘イルナに人語を解する燕のスゥと軍犬のベオル。森と獣に彩られた「赤燕の国」を、奇妙な顔ぶれで旅することになった一行。予期せぬ策謀と逃走の果て、国を揺るがす真実を目にした時、彼らが胸に宿した祈りとは―。これは歴史の影に消えた、儚き恋の亡命譚。第22回電撃小説大賞“銀賞”受賞作!

 

との事。

久しぶりにファンタジーを読みましたが、ファンタジーはやっぱりどれだけ描写が上手いか、世界観作れるかが面白いファンタジーを描くコツなんだなぁと思いました。

 

この作品のファンタジーのキモは「言葉」です。あらすじだけではわかりませんが、この世界の登場人物たちは言葉に対し皆それぞれの距離があり、それがキャラクターを形作っていました。

 

聖なる唄を歌うため言葉を話す事を禁じられた王女

言葉に宿る力(言血=他種族の能力)を遣い護衛を務める主人公

父の言葉(願い)に縛られたネコ耳少女

 

等々。ギミックも

 

言血(他種族の言葉=血。その種族の力を借り受ける事が出来る)や

王歌(王族だけが歌える唄。傷をいやしたり建築したりと、色んな事が出来る)

と色々。そもそも生命の誕生が「言血の塊に歌を聞かせる」事によって誕生するという世界観で、徹底しています。後、作者は物を描写する際に三つの言葉を連ねて書くのが好きみたいです(濡れた若草色の髪、清流を思う透き通った肌、微かに薫る白桃の匂い、みたいな)

 

ファンタジーとは新しく世界観を創り上げるわけですから、世界を上手く創り上げた後は上手く説明する必要があるわけです。この点この作品はとても良く出来ており、テーマとキャラクター達の魅力が良く伝わってくる面白い作品でした。

 

ただ、なぜか僕は「これ、佐々木小次郎の燕返しから着想得たんじゃないのか……?」とか思いました。絶対に違うと思いますけど。読んでみるとなんとなく伝わるかも。

 

では。